令和3年第2回定例会に「船橋市独自の不妊治療助成金」に関する陳情が提出されました。
私自身も経験があり「子どもが欲しい」という思いとの葛藤、不妊治療を受けながら様々な苦悩を経験しました。経済的な面だけではなく、精神的負担が大きい。同じ境遇の人と話をして気が紛れても、その人の妊娠が分かれば、また更に落ち込む。そんな自分に嫌気を覚えました。
今回の陳情は、「千葉県では県の助成金に加えて自治体独自の助成金がある市町村が大多数です。船橋市にはその独自の助成金がない、独自の助成金制度を渇望する」というものです。
前提として、子どもを望む夫婦が経済的な負担の心配なく、治療を受けられる体制づくりは必要であると考えます。
特定不妊治療については、今年の1月から助成金が拡充され、金額、所得制限の撤廃、事実婚でも認めらえるなどの前進がありましたが、十分ではありません。
確かに近隣市でも、浦安市や松戸市などは「千葉県特定不妊治療費助成事業による助成額を引いた残りの自己負担額のうち、治療区分によるが、1回の治療につき松戸は75,000円上限や、浦安は10万円、などの支援をしています。しかし中核市である船橋市は、補助事業の仕組みが異なり、県助成ではなく、独自で負担しているため、更なる支援への予算が組めていない状況です。
また、市が上乗せて助成するにあたっては、治療の止め時の問題、子どもを持たない選択をした夫婦へのプレッシャーなども懸念します。
船橋市独自の施策
●一般不妊治療に対して独自助成
https://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/ninshin/003/p002397.html
●不妊専門相談
https://www.city.funabashi.lg.jp/kodomo/ninshin/003/p073233.html
●県主体 不妊治療についての情報開示
https://www.pref.chiba.lg.jp/jika/boshi/funinchiryou/hunin-siteiiryoukikan-jouhoukoukai.html
費用や実績の情報公開などを進め、透明化を図られてきています。
7月21日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会で、体外受精などの不妊治療を公的医療保険で受けられるようにするための議論が始まりました。来年4月からの保険適用を目指しているところからも、国の動向を注視していくべきだと考えています。
以上の理由で陳情については「不採択」の立場としましたが、 子どもを望む夫婦が経済的な負担の心配なく、治療を受けられる体制づくりは必要であると考えます。自治体間で差があるような今の仕組みではなく、国全体での仕組みづくりを求め、また、職場などの理解など、不妊治療への理解啓発にも取組みたいと考えています。
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