施設自体は大きな被害もなく、水などの備蓄品もあり、登園された子どもは保育を実施。
しかし、日中になっても停電は復旧せず、エアコンの使用ができず、停電していなかった近隣の特別支援学校でエアコンの整備された教室を借りて夕方まで保育を実施。
閉園時まで停電は復旧せず、特別支援学校から保育園に戻った後、保育室内では懐中電灯を使用。
また、近隣の業者の方のご厚意で発電機をお借りし、保護者がお迎えで通る園庭も明るくすることができました。
これからの台風シーズン、いつ起きるか分からない自然災害への備えについて、高根台保育園の事例からの改善点は?
園では災害時に備え、水や食品など各園で必要な備蓄はしておりますが、長時間にわたる停電となった場合、対応に苦慮するのが明かりの確保と暑い時期のエアコンです。その対策として発電機の配備も検討いたしましたが、発電量、燃料の備蓄、メンテナンスなど、様々な課題もあり、現状では最低限の明かりの確保として、電池式のランタンを全園に配置。
また、飲料水以外の水の確保につきまして、折り畳みのポリタンクを全園に配備し、必要に応じて、くみ置きできるようにしました。
まずは、明かり対策です。ランタンで十分だとは言えませんが、全くないよりかは前進です。一番の気がかりは「暑さ対策」です。保育所は産後57日目からの子どもを預かる施設です。ここ数年の暑さは尋常ではありません。もしものためにエアコンを稼働させるほどの発電機を備蓄することのハードルは高いでしょう。事例でもあったように、近隣の公共施設との連携を日ごろから行う事です。
例えば、児童ホームであれば乳幼児用の居場所としては問題ありません。大きな扇風機も配備されています。近隣公共施設等にどんな備品があって、どんな支援が受けられるのか、連携を取っておく。これは災害時だけではなく、普段から親子の状況などを含め地域で見守っていく視点からも必要なことです。
今回のように支援学校では夜間は貸せなかったのは、縦割りの弊害でしょう。「子どもを守る」という視点が第一にあるべきです。
2019年台風15号が通過した際、高根台保育園では、開園時から停電が発生。その時の対応は?